まもなく7ヶ月、連日の街頭宣伝
申し入れ活動も開始
平和と民主主義をすすめる左京懇談会(略称:さきょう平・民・懇)では、昨年の10月9日−米軍によるアフガニスタン報復戦争開始の翌日−以来、連日街頭宣伝を継続し、すでに6ヶ月をこえ、まもなく7ヶ月になろうとしています。
また有事三法案が国会に上程される状況に、4月22日からは申し入れ活動も開始、最初の5日間でまず左京南部の約40寺を訪問し、有事法制阻止・憲法擁護のたたかいにともに立ち上がるよう訴えています。
街頭宣伝では、テロと報復戦争・自衛隊派遣に反対し、日本は憲法9条を高くかかげて国際的な平和のイニシアチブをとろうと訴えてきました。またこの1月の施政方針演説で小泉首相が有事法制に言及してからは、有事(戦時)法制反対・憲法擁護の声を特別に強めてきました。
2001年の12月までは、百万遍交差点での昼休み宣伝でしたが、今年に入ってからは、新たに熊野交差点(毎週火曜日)、修学院駅前(同木曜日)も加え、2枚合わせて7メートル幅の横断幕をかかげ、ビラを配り、ハンドマイクで訴えています。この活動は、先ごろの京都府知事選挙の間も、休むことなく継続してきました。
有事法制をめぐって、戦後体制をかけた対決が、最終決着を求めていよいよ鋭くなっている現在、この街頭宣伝と申し入れ活動は、この左京の地における民主主義運動発展の起動力になるとの確信をもって、今後も継続、強化をはかっていきます。歴史感覚をとぎすまして多くの方々が、これらの行動に参加されることをこころから訴えます。
とき:2002年5月11日(土)午後2時〜4時 ところ:京建労左京支部事務所
○2001年度活動報告 ○2002年度活動計画 ○財務報告(決算と予算) ○役員選出ほか
第12回総会は、有事法制をめぐって国会が緊迫しているもとで開かれます。「国民が主人公」の政府をつくることを展望する団体としての討論が期待されます。
学習討論集会 5・24(金)午後6時半 教文センター101号室
運動交流とデモ 6・14(金) 午後6時15分 東開公園(大久保町バス停)
左京区内の4団体(平和と民主主義をすすめる左京懇談会、左京地区労働組合協議会、原水爆禁止左京協議会、日本共産党左京地区委員会)は、4月27日(土)午後、今年度第2回の打ち合わせを行ない、有事法制・医療改悪阻止を中心とする当面のとりくみと夏に行われる恒例の「平和と映画のつどい」について話し合いました。
当面の重大課題である有事法制阻止と医療改悪阻止をテーマに、5月24日(金)に学習討論集会を開きます。午後6時半開会、会場は教育文化センター1階の101号室です。
平和と民主主義をすすめる左京懇談会では昨年の9月22日に「テロ反対緊急集会」を開き、その後の運動の起点をつくりました。また今年1月26日には、いち早く「迫る有事(戦時)法制―テロ・軍事報復・憲法問題、どう考えどう行動するか―」を開き、小泉内閣の危険な動きに対して警鐘をならしてきました。
今回の学習討論集会は、国会の有事法制や医療改悪の審議が緊迫の度を加える時期であり、運動強化に大きな役割を果すことと期待されます。
テロや自衛隊派遣問題では、この左京区内でほぼ月1回のデモが行なわれ、私たちの主張を多くの市民に訴えてきました。左京4団体や母親連絡会などの主催です。9・27、10・21、11・24、今年に入ってからは、これらに労働組合の取組み、府民要求運動などが加わりました。知事選挙は、むろん一大宣伝活動でもありました。
これらの運動を引き継ぎ、6・14に結集しようと、4団体では呼びかけています。
とき:6月14日(金)午後6時15分−6時45分、高野団地東開公園(大久保町バス停)で出発集会、あとデモで東大路を南下、三条京阪で解散。三条京阪では、街頭宣伝を行う予定です。
●とき:2002年5月3日(祝)午後1時開会●ところ:円山野外音楽堂(雨天決行)
集会のあと午後3時ごろ ピースウォーク出発(市役所前まで)
左京ではイズミヤ(高野交差点西)前からデモで円山へ
左京区では、11時20分集合、30分出発で東大路をデモで円山へ向います。
まもなくホームページ開設
「さきょう平・民・懇」では、この2月以来、インターネットのホームページ開設の準備をすすめてきましたが、まもなく開設いたします。URLは次号で紹介。
主な内容は、ピースカレンダー(平和・民主主義・生活向上に関する運動日程)、世界平和運動サーベイ(世界各地の平和運動を日誌の形で刻々お知らせします)、またこれに関連して、運動に役立つ平和運動小事典。連日の街頭宣伝用のメモを整理した「街宣メモ」も収録。学習会に役立つレジュメに仕上げます。
ニュース「さきょう平・民・懇」はじめ、「活動再開10年の記録」、「さきょう平・民・懇」紹介と入会申し込みなども掲載します。ご期待ください。
−民族主権の尊重、平和、飢餓・貧困の解消をめざして−
谷口 洋子
<はじめに>
去る9月15日、16日の両日にわたり、早稲田大学国際会議場で行われた「非同盟運動発足40周年記念シンポジウム」に参加しました。非同盟運動には関心が有りましたし、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(AALA)の呼びかけを聞くチャンスも有り、丁度良い機会だと考えたからです。
AALA運動を続けて来られた方々が左京にも沢山おいでになる中で、私のような初心者がこのような原稿を書くのは大変おこがましいのですが、誘われるままに私なりの感想を述べさせて頂こうと思います。
東京へ向けて出発前のある夜、何気なく付けたテレビの画面で見た衝撃的なニュ−ヨ−ク世界貿易センタ−への航空機の突撃とビルの崩壊。恐ろしいテロの勃発でした。一瞬、「戦争に突入するのではないか!?」との恐怖が走りました。ブッシュ大統領が早くも「これは戦争だ」。私は何だかブッシュがはしゃいでいるように見えました。
そして、国際社会がこれにどう対処するかが、今後の世界情勢の方向を決める鍵になるに違いないと、シンポジウムでこの問題がどう討論されるか、期待が膨らみました。
<非同盟運動とは>
「20世紀の始めには、物言えぬ存在だった植民地が独立をかちとり、いまや国際政治の場で大きな発言権を持つ、巨大な勢力となっています。独立した国々は20世紀後半、大国主導の軍事同盟に加わらない非同盟運動を発足(‘61年)させました。この運動への参加国は、当初の25カ国から現在正式加盟115カ国、国連加盟189カ国の3分の2近くに及んでいます。中国を始めオブザ−バ−15カ国を含めると世界人口60億人の内46億人が占めています。
人類多数派の非同盟運動は、平和な国際秩序をめざし、国連などの場で核兵器廃絶の力強い流れを作り出すなど、大きな力を発揮しています(入会よびかけより抜粋)」
20世紀は戦争の世紀であったと言われます。世界の多くの人々が生命を奪われ、故郷を追われ、愛する家族や財産を失い、心と体に傷を負いました。とりわけ、大国の利益のために犠牲を強いられた国々は、民族主権を奪われ、政治・外交・経済・文化あらゆる面で、大国の支配の元に新たな苦しみが始まりました。更に米ソの対立、冷戦構造の中で、再び大国の戦争に巻き込まれぬよう、大国間の軍事同盟から脱却しようと、旧植民地や、民族独立運動の途上国らこの運動が始まりました。
運動の源流は1955年にインドネシアで開かれた「アジア・アフリカ会議」にあります。非同盟諸国首脳会議は第1回(61年ベオグラ−ド)以来、今日まで12回行われ、「平和、正義、平等、民主主義ならびに国連憲章と国際法の完全な尊重にもとづく新しい国際関係体制の樹立(弟12回)等、世界に向けてアピ−ルを発表して来ました。
日本は勿論未加盟国ですが、「アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会」等、多くのNGO(非政府組織)が参加し、貢献して来ました。高度に発達した資本主義国でありながら、沖縄を始め首都にさえ強大な米軍基地を置き、手厚い保護と協力を惜しまぬ日本政府のもとで、日米安保条約廃棄、非核・非同盟の日本を願う日本国民がこの運動に参加することは、平和な国際秩序を築く世界の運動を励まし、その前進に大きく貢献することでしょう。
<多くのことを学んだパネラ−の発言>
さて、私は、15日(土曜日)の午後、東京は高田の馬場駅からスタ−トしました。「早稲田の森」と言われる「森」はどこにも見えず、やたらと食べ物屋の多い、雑然とした市街でしたが、始めて見る早稲田大学国際会議場は立派な建物で、全国から様々の民主的運動に携わる団体個人の老若男女、外国大使館からの外国人代表等500名余りが集いました。同時通訳のイヤホ−ンを耳に、筆記用具をかまえて一部始終聞き漏らすまいと私は待ちました。
パネリストは、舞台左からモラド・ガレブ氏(アジア・アフリカ人民連帯機構議長・エジプト)(病気のため欠席)、ラハデイ・イスカンダル氏(南南技術協力のための非同盟センタ−総務部長、前駐南アインドネシア大使)、緒方靖夫氏(日本共産党常任幹部会委員、国際局長、参議院議員)、杉江栄一氏(中京大学名誉教授、国際法)、フリオ・ムリエンテ・ペレス氏(プエルトリコ独立新運動議長、プエルトリコ)、ファン・バン・チュオン氏(AALA連帯協力ベトナム委員会委員長、ベトナム)の5氏。
政治学者畑田重夫氏の呼びかけ人挨拶に続いて、南ア共和国大使の挨拶、ベトナム副国家主席のメッセ−ジも紹介され、この会合が大変権威のあるものだという印象を得ました。挨拶やメッセ−ジや5氏の発言内容の詳しい紹介をするには膨大な紙面が必要ですので、乱暴ながら、パネリストの発言から印象的な点を拾って見ました。
- 米ソの冷戦が終結し、非同盟運動が必要で無くなったとする意見もあり、脱退した国もあるが、世界大戦以後、新たに浮かび上がったグロ−バル化の中、富める大国と貧しさにあえぐ小国の差は激しく、貧しい国が政治的・経済的自立を果たすためにも、非同盟運動の果たす今日的役割は大きい。
- 世界金融危機もあいまって、「債務の大きさ」は発展途上国に大変な負担となっており、国民の貧困は依然として緊急の課題である。その打開策として「南南技術協力」のための非同盟センタ−が設立され、非同盟諸国において「貧困の根絶と公平な発展のための専門家グル−プ会議」が行われている。
- 非同盟とは単に冷戦という東西の対立に反対したのでもなく、対立に巻き込まれるのを避けようとしたのでもない。東西軍事同盟の中心に座った米ソ両超大国が世界を取り仕切る世界支配構造に異議を唱えたのである。大国支配の国際秩序への挑戦であった。
- 核兵器保有国に「保有核兵器の廃棄」を約束させた新アジェンダ連合の活動等、非政府組織(NGO)と非同盟・中立諸国との連携と協力、国際世論の協力が国際政治の新しい力になりつつある。
- グロ−バル化を支配している国際的貿易経済の諸機関と規則が各民族の公平な発展を確保するのでなく、先進諸国と強大な多国籍企業の利益を守る傾向にある。過去20年間で、世界貿易は3.5倍に増え、GDPはほぼ2倍になったが、48の後発途上国の市場占有率は5.9%から2.3%に落ち込み、地球上60億人の中で、55億人以上が窮乏と貧困の中で暮らしている。
- IMFの介入を拒否して、自国の経済通貨政策で難局を乗り切ったマレ−シア等アセアン加盟国は全て非同盟参加国である。
- 非同盟運動は第二次世界大戦直後から、世界平和と民族自決、公正な世界経済秩序の確立をめざす運動として頭角を現し、弟1回首脳会議以来、核兵器廃絶、軍事同盟反対を高く掲げて来た。
- 日米安保条約締結50年に当たる日本では、米軍基地が首都東京の横田空軍基地、首都圏横須賀に海軍基地、沖縄の人口密集地には最大規模の基地があり、米本土でも外国同盟国でも禁止されている低空飛行訓練や夜間離発着訓練が繰り返されている。この「米軍基地国家」日本を続ける自民党政治と闘い、日米安保条約をなくし、非同盟・中立の日本をつくり、非同盟諸国会議への参加を打ち出している政党は日本共産党しか無い。非同盟運動に参加することは日本の真の安全にとって重要であり、アメリカに従属し世界から孤立することなく世界平和に役立つ自主的な外交を進めることが出来、アジア諸国との友好・協力の新しい関係をつくることが出来る。
- 発足当時から核兵器問題が重視されたが、非同盟加盟国政府・NGOの共同で原水爆禁止世界大会を成功に導いて来た意義は大きい。外国軍事基地を置かず、核兵器廃絶を実現するという世界の重要な課題を掲げ歴史を変革する上で、この政治方向は21世紀にも一層大きな役割を果たすに違いない。
- プエルトリコは1898年以来、アメリカの侵略戦争と他国支配の軍事基地として蹂躙されているが、中でもビエケス島では島の3分の2が基地とされ、住民は生活の質・健康・環境の悪化、爆撃訓練による死傷者の多発等、植民地の苦しみを強いられている。国連は21世紀の最初の10年を地球上から植民地主義を廃絶する年間と宣言した。
- アメリカの侵略戦争と闘ったベトナムは、日本の沖縄に強大な米軍基地が有り、そこで休息し治療を終えたアメリカ兵が再びベトナムへやって来たこと、その沖縄で米軍基地を撤去する運動が有り、日本の民主的な皆さんが支援してくれたことを忘れない。
<フロア−からの発言>
2日目はパネリストの発言と問題提起に応えて、フロア−からも沢山発言が有り、パネラ−との応答がありました。その中で特に印象に残ったのは「開発途上国」という呼び名は「資本主義の側からの見方である。我々は問題の多い先進国のような開発を目指しているのではない」。「貧しい国々は最初から貧しかったのではない。富める国はそれ等の国々からむしり取った結果、富める国となったのだ」「民族主権だけでなく、WTOのあり方から食料主権を主張する運動も必要」
アメリカでのテロについての意見も沢山出されました。その全てが「暴力に対して武力(暴力)で応えるのでなく、法と理性に基づく対処を」というものでした。また、「アメリカでのテロを見て、第2回会議でキュ−バのカストロが、キュ−バは40年間アメリカのテロを受け続けていると言ったのを思い出す」「この時にこそ非同盟が発言すべきだ」「武力攻撃は穏健派を過激派に変えるのみ」「アメリカの軍事的・経済的一国覇権主義こそがテロの温床である」
世界の労働者の現状についての発言も印象的でした。「日本では失業者数が5%(実質的には10%とも)を越えた。アメリカの1%の人の富が世界の貧しい国の6億人の富に匹敵する」(これは、一昨年京都で行われた共産党の人民大学で、志位さんも指摘しておられましたが、コンピュ−タ−のマイクロソフト社を創設したビル・ゲイツを始めたった3人の資本家が6億人分の富を独占しているそうです)。「韓国の労働者は年間2300時間を越えて働いているが、賃金は下がっている。アメリカの軍事的政治的覇権主義と表裏一体である」等々。
若い人達も多数参加していましたが、世界を旅し、ビエケス島の米軍基地も実際に見て住民と交流する中で、沖縄を始め日本の米軍基地を無くす闘いに確信を持った「ユ−スネット」の発言や、高校生がシンポジウム参加の前に非同盟運動について勉強し、バングラデシュで開かれる来年の非同盟会議にも是非参加すると意気込んでいる様子など、心から支援をしたい想いがしました。
<おわりに>
新しい戦争の火種は今も世界中に有り、地球上には3万発の原爆が貯蔵されていて、その一つひとつが広島・長崎の数百倍の威力を持つと言われる現在、世界のNGOと非同盟運動が更に結束し草の根の闘いを展開することが、21世紀を平和で豊かな世紀にして行く大きな課題になることでしょう。
参議院選挙では「小泉旋風」に翻弄され、21世紀の幕開けに少なからず幻滅していた私ですが、このシンポジウムに参加して、世界は確実に良い方向に前進しているし、世界の平和と独立を愛する勢力は着実に大きく強くなっていると、確信を深めることが出来ました。